GIAリーダーの旅(松村卓朗)第6章:GIAリーダーとして:この国のために私は何ができるか/GIAとは私にとって何だったか

GIAリーダーの旅も、いよいよ終章を迎えた。旅を終えて、以下の3点に関する考えをまとめてみた。(研修では、フェーズ3で、旅やフィールドワークを振り返り、自身の考えをまとめ、参加者に共有する場を持つので、その機会を利用した。)

  • スリランカの教育への提言(と私の関わり)
  • スリランカの産業発展への提言
  • GIAリーダーの旅とは、私にとって何だったか

スリランカの教育への提言(と私の関わり)
フィールドワークにおいては、私はこの国の“教育”に焦点を当てた。教育水準が高いのは、初等教育(高校まで)であり、大学の数が(先進国と比較すると)極端に少ないため、よほどの人でない限り大学には行けない社会になっている。このことが、企業のミドルマネジメントが不足する・育たない原因を作っており、ひいては、企業のダイナミズムが生まれることを阻害している、という私なりの仮説を作った。
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GIAリーダーの旅(松村卓朗)第5章:スリランカでのフィールドワーク:国について構造的に具体的に考えるという経験

「この国の問題」に対する問題意識
スリランカの旅を通じてのテーマは、「この国のために何ができるかを考える」ということであった。これからのグローバルリーダーたるもの、個人や企業のレベルでだけでなく、国のレベルで問題解決を考えることが求められる。何より、新興国や途上国への進出においては、その国の“国づくり”に携わろうとするような強い意志と高い視点が成功の鍵を握るはずだ。このGIAリーダー育成プログラムは、今後の日本のリーダー達に求められるこういった意志や視点を養うトレーニングが重要な目的だった。

よく、「なぜスリランカなのか」と聞かれるのだが、スリランカは実はこのトレーニングを行うのにぴったりの国なのだ。北海道くらいの面積で2週間あれば一回りできる大きさであり、人口も2000万人程度でそのうち7割をシンハラ人が占め、産業はモノカルチャーで、“国レベル”で問題を考えることを行うには比較的考え与しやすい国だと、行ってみても実感した。インドや中国では、“国レベル”で問題を考えようとしても、途方に暮れるだけだろう。
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GIAリーダーの旅(松村卓朗)第4章:スリランカのリーダー達との出会い:オーセンティックでエネルギッシュな情熱に満ち溢れたリーダーシップ

マハボディ仏教寺院の高僧:仏教による人格形成教育を追求

スリランカでは、すばらしいリーダー達と出会うことができた。ここでは、「オーセンティシティ(真実味・本物感・信憑性)」を強烈に感じ、エネルギーと情熱に満ち溢れた3人を挙げたいと思う。

まず最初に挙げるのは、仏教国スリランカの寺院の大僧長、パナガラ・ウパティッサ師だ。スリランカに着いて次の日にまず最初に訪れたのが、仏陀がその下で悟りを開いたと言われる菩提樹(ボディトゥリー)に名前を由来する、マハボディという名の付いた仏教寺院だ。彼が大僧長を務めるこの寺院で、スリランカ滞在中の安全と幸福を祈ってもらい、手首にお守りとなる糸を巻きつけてもらった。

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彼は、会うなりとても流暢な日本語を話すので、とても驚いた。聞くと、1986年に仏舎利と共に来日し、都内で借家生活をしながら布教活動を行い、1989年には千葉県に蘭華(ランカ)寺を創建したという。
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GIAリーダーの旅(松村卓朗)第3章:ハードシップと内省

第3章 ハードシップと内省:ララパナワ(旱魃で半年無収入の農村地域)でのホームステイ、ジャフナ(数年前まで内戦をしていた北部地域)への道程

旅のハードシップ
スリランカに行ってあらためて、スリランカというのは、実にこのGIAリーダープログラムを実践するのに適した国だということを体感した。

それは即ち、このプログラムのテーマである、「この国に対して、自身・自社の本業を通じて何ができるかを考え抜く」のに、程よい大きさの国という意味だ。人口は2000万人、面積はちょうど北海道の大きさ。これが中国やインドなら、「この国に対して何ができるか」と問われても、途方に暮れてしまうところだ。スリランカなら2週間もあれば、一周りできる。

とはいえ、コロンボから北部ジャフナまでの縦断の旅はハードだった。肉体的にも精神的にもハードシップが強いられた。
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GIAリーダーの旅(松村卓朗)第2章:チャレンジ体験‐スリランカでの研修講師デビュー

M社会長R氏との出会い

スリランカに着いて、3日目のことだ。

この日は、スリランカ最大の都市コロンボに滞在して、いくつかのスリランカの現地企業や省庁などを順に訪問し、意見交換や情報交換を行っていた。

この日最後の訪問先は、セイロンティーの製造・販売会社から、テレビ局の運営会社まで持つコングロマリット企業であるM社だった。会議室に通され、出てきたのは会長のR氏だった。

我々は1人ずつ自己紹介をしていったが、このGIAプログラムには、電機メーカーX社のKさんが参加していた。彼は自己紹介がてら、持ってきていた社内報を元に自社の概要説明をした。社内報のあるページに、スマートシティ構想の特集記事があった。太陽光パネル等でスマートハウス化された家の写真が載っていたのが、R氏の目に留まった。「ちょうど家を建てたいと思っていたんだ。これ建てるのにいくらかかるか教えてくれ?」と言う。そして、すぐに見積りがほしいという話に展開していた。

Kさんは電機メーカー勤務であって、関連会社のハウスメーカー勤務では決してない。しかも、会社では本社で経営企画を担当していて、営業ですらない。
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GIAリーダーの旅(松村卓朗)第1章:スリランカに行く前のワークショップでの、途上国ビジネスの先駆者からのメッセージ

*GIAリーダー・プログラムについては末尾をご覧ください。

なぜGIAリーダー・プログラムに参加したか
PFCには、グローバルな経験と知見を豊富に有し、グローバルに活躍しているバイリンガルのコンサルタントやスタッフが多く属している。しかし、多くの日本企業がそうであるように、「社員全員が当然のようにグローバルに活躍している」という状況にはまだない。
しかし、真に組織がグローバル化するというのは、例えば「グローバルの仕事はあの人がやるもの」といった特別意識や、「英語ができないからこの仕事は自分には関係ない」といった引け目や臆面がなくなり、通常の仕事の中にグローバルに関わることがごくごく普通に入り込んで、誰もが自然に関わっているといった状況のはずだ。多くの企業のグローバル化推進を支援するにあたって、PFC自体が先んじてそのような組織になることは必須のことであり、我々自身も「内なるグローバル化(即ち、PFCのグローバル化)」を中期の重要なテーマに掲げている。その中で、代表である私自身もグローバルに展開されるプログラムに当たり前のように率先して関わり、私自身のリーダーシップ開発の機会にしたいとも感じて、GIAリーダー・プログラムに手を挙げて自ら参加することに決めた。

現地の方との交流

プログラムの概要
このプログラムは、スリランカでの視察や体験行程がメインではあるが、スリランカに行っている間だけがプログラムではない。行く前のワークショップを中心としたフェーズ1、スリランカを旅する2週間のフェーズ2、日本に戻ってきてから成果をまとめるフェーズ3の、3フェーズに分かれている。
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