目指せグローバル才女!薫子の「飛んだ人生」〜自分の仕事から振り返る、日本企業のグローバル人材育成の変遷

keikoS_jpg皆さん、こんにちは。薫子です。
今、成田空港のラウンジでこのコラムを書いております。1週間の日本出張を終え、これからサンフランシスコに戻るところです。息子が2歳になってからは、息子を夫に任せて、一人で海外出張に出かけることも増えてきました。人によっては「えー!!大丈夫なんですか!?」と驚かれる方もいますが、子供を夫に任せて1週間ほど家を空けることこそ、最強の「イクメン・家事メン育成方法」であると、自分の経験から断言できます。

ラウンジでうどんなどすすりながら、行き交う飛行機を見ていると、「このラウンジにも何度来たことか。。。」と感慨深い気持ちになります。キャリアチェンジしてこの業界に入り、日米を往復しながら仕事をするようになったのは2005年ですから、もう10年目になるのですね。

自分の仕事内容を振り返ってみても、この10年間で、日本企業のグローバル人材育成に対する意識というものは、格段に変わったと感じます。
10年前は、日本企業に異文化研修を紹介しにいっても、「異文化?何ですか、それは?」「うちの会社は外人さんと仕事する人は少数ですから、そういった研修は必要ありません」という対応が一般的でした。海外駐在でも、駐在員や受け入れ先に対して、何の研修も提供されず、そのまま送られてる、という状況が普通でした。

あるとき、ダイバーシティ研修に興味があるという日本企業に呼ばれ、ワークショップの内容を提案したところ、「それで、このワークショップはどういった講師が担当されるんですか」と聞かれました。「私が行います」と答えたら、「いや、、、実は受講者は全員40-50代の男性なので、講師が女性というのはちょっと。。。40-50代の男性講師でお願いできませんか」と言われ、絶句したことも。(女性の講師すら受け入れられないダイバーシティの研修って何!?)

また、研修の教材は全部日本語に訳して、日本語で実施するよう依頼してくる日本企業が一般的でしたが、中には「カタカナも一切使わないで下さい」と言ってきた企業もありました。「ペアワーク」は「二人組みでの作業」と言い換えるよう注意されました。

あるときは、「受講者は殆ど英語ができませんが、英語というものに触れさせたいので全部英語で講義して下さい」という依頼を受け、その研修はもともとは「交渉術」の研修だったのですが、英語の授業になってしまった研修もありました。

今となっては笑い話みたいですが、10年前はクライアント企業も、私自身も、グローバル人材育成のアプローチについて、いろいろと迷走していたような気がします。

時は流れ、「うちの会社は外人さんと仕事をする人は少数ですから異文化研修は必要ありません」と言っていた日本企業は、社長が「外人さん」に変わりました。その企業のある部署のチームビルディングを年に1-2回ほど担当していましたが、今や世界各国からメンバーが集まり、日本人メンバーは少数派。ワークショップの言語はもちろん英語で、日本人の参加者も英語でバリバリ発言しています。その会社は、欧米のシニアマネジメントが日本に駐在してグローバルファンクションをマネージし、日本のシニアマネジメントは欧米の拠点の責任者になるといった、マネジメントのグローバルローテーションを積極的に行っています。また、彼らにはコーチングなど特別な支援も提供して、グローバルアサイメントとコーチング・研修の両面から、グローバル人材を育成しています。

日本企業が求める研修も、以前は「欧米人と効果的に仕事をする」という大雑把なテーマで、英語で積極的に自分の意見を伝えるスキルを練習することが多かったですが、今は欧米人という大雑把なくくりではなく、アメリカ、デンマーク、ドイツなど特定の国を深く掘り下げ、また中国、タイ、韓国、シンガポールなど、アジアの特定の国に対するニーズが増えてきました。

また、特定の国に焦点を当てた異文化研修だけでなく、ダイバーシティ&インクルージョン、バーチャルチーム、グローバルリーダーシップ、グローバル・チェンジマネジメント、グローバル・イノベーション、グローバルM&A後の文化の統合プロセスの支援、といったテーマでのコンサルティング、研修やワークショップの依頼が増えてきました。研修も、一回だけ行うのではなく、アクションラーニングやコーチングなどと組み合わせ、半年から1年といった時間をかけて、選ばれたハイポテンシャル人材に投資をする形で実施されるケースが増えてきました。

この10年間で、企業のグローバル化のスピードと、グローバル人材育成のニーズが急増したことが、私個人の仕事の内容を振り返ってみても、感じられます。さて、これから先の10年間、日本企業のグローバル化、グローバル人材育成の流れはどのように進んでいくのでしょうか?仕事がどんどん複雑化していく中、私自身も停滞しないように、常に新しい知識やスキルを身に付け、クライアントの期待に応えられるようにしたいと思います。