ピープルフォーカスの中国流「チーム」の作り方

yasuda_newさて今回は、みなさんが毎日参加されている会議という「チーム」活動について考えてみたいと思います。

決まらない会議
仕事柄、よく顧客先の会議に参加します。中国の会議の特徴として、言いたいことを率直に話すので、議論は盛り上がるのですが、気が付くと時間切れ。決めるべきことが決まらずに終わることが少なくありません。先月のある会議でのこと。来期の売上目標に対して、一人の出席者が持論を述べ始めました。「そんな非現実的な数字を掲げてもしかたかない。」という発言で、部門代表者の間でバトルが勃発。他の人たちは、まぁ、いつものことだから・・、と静観を決め込んでいます。結局、誰もがこれからどう動けばよいのか分からぬまま、会議は終了してしまいました。

会議をチームにする
気心の知れた仲間同士でも、会議の開始時点では、「チーム」にならないのは中国でも同じです。単に「人々が集まったグループ」の状態なのです。ではどうやって「チーム」にするか?前回紹介したチームの「3要素」を確認しましょう。

まず「ベクトル」では、何のための会議なのか(目的)に加えて、会議を通じて何を達成するのか(成果物)を明確にします。日本企業のほとんどの会議で、この会議の成果物が事前に明確ではありません。課題を特定するのか、解決方法を合意することなのか、あるいは解決のアクションを決めることなのか。会議の成果物を合意せず、話し合いを進めても時間通り終わりません。中国人社員が不満に思うトップ3に必ず出てくる課題です。
次に「プロセス」ですが、どんなテーマを、どれくらいの時間かけて、どのように議論するのか、を事前にまとめます。さらに、参加者の役割、議論が煮詰まった時や議論がぶつかった時の討議ルールを決めておくことも必要です。先ほどの例にあるように、会議の中で中国人同士が言い争いのようになることは少なくありません。討議ルールの徹底は必須です。
最後に「ヒューマン」。会議の成果を達成するために、“最低限”必要な人を招集することです。あの人も、この人も、と会議に呼ぶ人が多すぎて、ただ座っているだけの人、パソコンを取り出して内職をしている人が出ること避けます。

ファシリテーションの活用
ファシリテーション(引导)スキルが役立つのは中国でも変わりません。言うまでもなくファシリテーションとは、“中立的な立場で、チームのプロセスを管理し、チームワークを引き出し、チームの成果が最大化するように支援すること”(PFCの定義)です。中国人マネジャー、スタッフからもっとも多くでてくる日系企業での会議の課題トップ3は、「会議のゴールが曖昧」「会議の時間が長い」「自分がやるべきことが分からない」です。ファシリテーションには様々なスキルがありますが、ここではすぐに使えるものをご紹介し、課題への対処法についてまとめてみたいと思います。

「ゴールが曖昧」への対処法:
もしゴールが曖昧なまま始まった会議に参加した場合は、必ず次のことを確認してください。「今日の会議は、会議が終わった時にどんな成果物を期待しているのですか?」と。「ベクトル」を必ず明確にして会議を始めて下さい。ファシリテーションを学ぶ前と学んだあとでは、この部分が劇的に変わります。ファシリテーションを学んだ中国人リーダーの会議に出席した時のお話です。彼は事前に会議のゴール(成果物)をホワイトボードに大きく書き、参加者の同意を得て進めていました。ホワイトボードに書いたことにより、ついつい発散型の議論になりがちな会議を集中して行うことができ、最後は中国人の参加者が拍手をしていました。

「会議の時間が長い」への対処法:
日本人駐在員によく見られる傾向として、議論を深めたい、よく考えてもらいたいという意図から、予定以上に時間をかけることがあります。時間が延びると、参加者の集中力が切れ、何も決まらずに終わることがあります。
「プロセス」の管理、具体的にはタイムマネジメントを必ず行ってください。「そろそろ予定時間です」「予定5分オーバーです」「すでに10分オーバーですが、この後のアジェンダを変更する必要があります。どう変更しますか」など積極的にプロセス管理を行ってください。5分単位のプロセス管理なしに、「会議の時間が長い」の解決はありません。

「自分がやるべきことがわからない」への対処法:
必ず会議の最後に「誰が、何を、いつまでに」、を必ず確認しましょう。必ず言葉に出す、ホワイトボードに書くなどして見える化しましょう。よくあるのは、「これだけの議論をしてきたのだから、一人ひとりが何をすべきかは言うまでもないだろう」と考え、この最後の重要なステップを省いてしまうことです。日本人駐在員のほとんどがこの大事なステップを省いています。必ず言葉で確認をしてください。「誰が、なにを、いつまでに」です。

次回は、リーダーにとってのファシリテーションについてご紹介します。