中国企業の「チーム」の作り方

yasuda_new前回に引き続き、いかにグループをチームにするかを考えてみたいと思います。 先日、中国企業の方々とお話をしていて、中国のチーム作りには、共通するものがあると感じました。それは、「明確な人事理念(人についての考え方)に基づいて、様々な仕組みが整えられている」ということです。そんなの当たり前、と思われるかもしれませんが、その徹底ぶりには驚かされます。 例えば、ハイアールでは、「每一个职员都应该像CEO一样(一人ひとりがCEOたれ)」という人事理念をもとに、一人ひとりの成果向上のための仕組みが整備されています。仕組みの一つを例に挙げると、人事マネジャーのスマートフォンには、毎週、担当しているビジネス部門の売上や利益率の情報がアップデートされ、「人件費÷税引き前利益」が一つの指標として評価されているのです。「人件費を下げるのも、利益を上げるのも、人事マネジャーである自分の責任」と言い切っていたのがとても印象的でした。尚、これらすべての情報が毎月全員に開示され、彼の同僚たちの目標達成率も一覧で確認することができるように仕組みが整えられています。「一人ひとりがCEOのように仕事をしてほしい」という企業のメッセージがこういった仕組みによく表れています。 他にも、ファーウェイの「狼的文化」、蘇州グッドアークの「關懷(思いやり)」、海底捞(火鍋チェーン)の「双手改变自己的命运(自らの手で人生を切り拓け)」など、勝ち組と言われる中国企業では、人事理念に基づいた仕組みを通じて、グループ集団をチームに変身させ、成果を上げています。

仕組みでチームになる、とは?

では、もう少しこれらの仕組みを詳しく見ていきましょう。レノボ、ファーウェイ、そしてハイアール等、中国における勝ち組企業は、明確な人事理念を持ち、「仕組み」によってチーム作りをしています。そして、「仕組み」によってチームに必要な三つの要素(ベクトル・プロセス・ヒューマン)をしっかり満たしていることがわかります。

  • 明確な企業理念、人事理念を持ち、組織や部門が目指す目標を明確に設定(ベクトル)
  • 目標を達成に向けた具体的な戦略を描き、必要な職務(ポジション)を特定(プロセス)
  • 職務(ポジション)に合致した人を社内外に求め、採用活動を実施(ヒューマン)
  • 職務(ポジション)に求められる責任を明確に規定し、個人と組織の達成状況を見える化 (プロセス)
  • その個人業績と組業績の達成状況に合わせ、報酬を決定(プロセス)

上記のような「仕組み」によるチーム作りは、チームワークの経験がない人たちにも、私たち日本企業にも、とても参考になります。「チームワークが大切」と言葉で伝えるだけでなく、チームになるための仕組みが整備されているか、しっかり運用されているか、を今一度確認することが必要なのかもしれません。 次回は、中国人との会議で“チームになる”、を考えてみたいと思います。