【ジャンゴのちょっといい話:田岡純一】変えるべきものと守るべきもの

taoka_new企業には変えていいもの、むしろ変えなくてはならないものと守らなければならないものの二つがあることを一年の最後にもう一度胸に刻んで、来年度のチャレンジをお互いしていけたらと思います。

以前このブログで長寿企業の話をご紹介したことがあります。長寿企業とは200年以上続く企業のことで
日本は世界一この長寿企業が多く、なんと3000社以上あります。2番目がドイツの800社余りですからどれだけこの数が凄いか、ご理解いただけると思います。この内容が紹介されたNHKの長寿企業の特集の中で語られていた、長く繁栄を続けている企業の特徴が「不易流行」という言葉でした。

不易とはいつまでも変わらないもの、原理原則であるのに対し、流行は世の中の変化と共に移り変わっていくものと真逆の意味です。しかし長寿企業にはこの2つの考えが同時性を持って成立しています。
今は前回お伝えした通りVUCAの時代です。(VUCAは不安定性(Volatility)、不確実性(Uncertainty)、複雑性(Complexity)、あいまい性(Ambiguity))そんな中、各企業も外部環境、経済環境、マーケット、競合分析等を実施しながら経営計画を作っていきます。でも同時に意識していただきたいのが、経営理念や行動指針です。ここには企業として存在する原理原則的な要素や行動する際に常に心がけ守るべき要素が入っています。この点は決して見落とさずに来年に向けての具体的な活動を考えていただければと思います。

9月8日の日経新聞の朝刊に、「品質を守った日本KFCの戦い」が紹介されていました。
この記事は食のグローバル化が進む中、米国本社からの強い要請に対し、戦い続けた元日本ケンタッキーフライドチキンの代表である大河原毅氏の苦闘の日々が紹介されていました。原材料の調達、加工に関しても大幅にコストが抑えられる海外への移管を強く要請されていたにもかかわらず、「顧客の期待を裏切るようなことはしたくない。四半期決算なら米側の主張が勝つが、本当の競争には勝てない」と主張し、カーネルサンダースが理想としてきたハーブ資料を日本で開発し、健康な鶏肉の生産を支援し続けてきました。調理方法の変更に対しても日本人の味覚の繊細さを丁寧に説明し、KFC本来の味を守り続けてこられたようです。生前のサンダース氏に「日本だけが私の味を守ってくれている」という言葉をかけられたことも紹介されていました。
残念ながら私の出身母体である日本マクドナルドは、この課題への対応をうまく処理できず、未だ顧客の信頼回復に苦しんでいるようです。

忙しくなるとつい目先のことに意識を奪われ本質を見失いがちになります。これからますます多忙な師走ではありますが、こんな時期だからこそ大切なもの、守らないといけないものをしっかり意識し、行動したものです。