ASTD2014: ジェネラル・セッション(2)スタンリー・マクリスタル (Stanley Allen McChrystal)将軍

(株)ピープルフォーカス・コンサルティング主催の「ジャンゴと行くASTD2014」報告会レポートから、いくつかのセッションに関するメモをご紹介します。
今回は、スタンリー・マクリスタル将軍のキーノートスピーチです。
***************
スタンリー・マクリスタル
(Stanley Allen McChrystal)将軍
元在アフガニスタンでの反政府活動における戦略の立案及び実践を指揮したり、独自の軍組織におけるコミュニケーション方法を考案し、斬新な対テロ組織を創設したことでも有名。
2010年に退官したのち、2011年にマクリスタルグループを創設し、組織におけるイノベーティブなリーダーシップ実践をミッションに、彼が考案したリーダーシップ手法であるクロス・リードを教えています。またベストセラーとなった“My Share of the Task: A Memoir” の著者

=============================================
(参加者のメモより)

マクリスタル氏は自らの軍組織での豊富な経験を基に、危機的な状況において素早く対応し、柔軟に適合して生き残ることができる自己組織化されたチームや組織をつくるためには何が必要かについて事例を交えながら語った。

9.11のテロを例にとりあげ、テロリズムの変化が米軍の官僚的組織の基盤を揺るがしたと語り、組織が大きく官僚的になることで保たれれていた秩序や強さがあったが、激しい環境の変化や状況においては、環境に適合できずに、むしろ脆弱性に変わってしまう。

複雑で変化の激しい状況で、成果でチームや組織が生き残っていくためには以下の3点を意識して行動することが大事。

①未来は予測できるという傲慢さを排除する(Predictive Hubris)
予測できない未来もたくさんある。我々はそれを受け容れ適合するしかない。未来は予測できるという傲慢さを捨てて、現実に適応する必要性があることを航空会社の危機管理研修を通して事故が死亡事故が減った事例や、パキスタンにおけるアクシデントが発生した際の軍事作戦の事例を挙げながら強調されていた。

②有機的(組織的)な適合性(Organic Adaptation)
危機的な状況発生時に組織的に素早く柔軟に適合するチームづくりが必要。
複雑で危機的な状況においては、関わるメンバーがお互いに信頼し、チームとして一体感を持った状態でないとミッションは達成できない。小さなチームなら一体感を持ちやすいが、チームや組織が大きくなると持てなくなる。

③共有化された意識と権限移譲による実践(Shared Consciousness & Empowered Execution)
大きなチームや組織になった時に、一体感を待ちミッション達成するために必要なことが、組織的なコミュニケーションを通して情報や意識を共有化することと権限移譲を促進すること。
権限を委譲することで、決定権を持ったメンバーは、より注意深く行動し、生産性の高い行動ができるようになる。
アルカイダのリーダーを捕えようとした時、米国政府が官僚的な組織であったため、組織内の情報共有が上手くいかなかった際に、コミュニケーションをとることでゴールを共有し、意識や情報の共有が図られて問題解決にいたった事例を紹介。

報告会レポーターのキーラーニング:VUCA(Volatility:変動制、Uncertainty:不確実性、Complexity:複雑性、Ambiguity:あいまいさ)の時代においては、危機的な状況に素早く対応するチームづくりが大事。そのチーム作りのカギは組織内のコミュニケーションの活性化とエンパワーメントの促進にある。