目指せグローバル才女!薫子の「飛んだ人生」〜グローバル企業に共通の課題を乗り越えるヒント

keikoS_jpgこんにちは、薫子です。

今回はグローバル企業で働く上で避けて通れない課題について書いてみようと思います。

異文化の知識を高め、語学力を高め、様々なテクノロジーを駆使しても、どうしても取り除くことが出来ない課題とはいったい何でしょう?

答えは「時差」です。

タイムマシーンでも開発されない限り、時差はなくすことはできません。

グローバル企業のコンサルティングやチームビルディングに関わっていると、最初のステージでは、双方がお互いの文化を理解する、お互いに理解しやすいようにコミュニケーションスタイルを改善する、語学力を向上させる、といった課題が挙がります。それはそれで当然大切なのですが、協働の期間が長くなっていくと、そういった課題はだんだん改善されていきます。が、そのときに改めて「時差」の壁が立ちふさがります。

グローバルチームを効果的に運営していくためには、チームメンバーがチーム全体の目標を理解し、お互いに助け合えるように、頻繁にコミュニケーションをとることが必要。チームメンバーは世界各国に散らばっているので、できるだけ多くの人が参加できる時間帯を選んで電話やウェブ会議を開くこと。トラブルが起きたときにだけ電話で話すのではなく、週に一度くらいのペースで定期的にこういったミーティングを開くことが必要。

こういった内容、グローバルチーム運営のベストプラクティスとしてよく聞きますよね。ただ、実際にこのようなことを律儀に実践したらどうなるでしょうか?

先月私がファシリテートしたグローバルチームのチームビルディングセッションで、今直面している一番大きな問題は何ですかと聞いてみたら、アメリカのメンバーが次々と発言しました。「日本との電話会議は全部ボストンの夜の時間帯になる。オフィスでの仕事が終わって帰宅しても、この後電話会議が控えていると思うとリラックスできず、精神的にずっと緊張状態が続いて疲れる。」「一人のメンバーが複数のグローバルプロジェクトチームに属していたり、またチームの電話会議以外にも、日本のメンバーと一対一で電話で話すことも必要になるので、ほぼ毎晩、電話会議が入っている状態」「こういったワークスタイルに耐えられず、優秀な人材が次々と会社を辞めている」。

それでも、日本とボストンの二極だけの電話会議だったら、ときにはボストンの早朝、日本の夜と時間帯をスイッチすることも可能です。しかしここにヨーロッパも入ってきて3極になると、電話で話せる時間帯は日本の夜、ボストンの朝、ヨーロッパの午後のみと、かなり限られます。日本のメンバーに話を聞くと、三極の電話会議はたいてい日本の夜9時以降に設定される。その頃には頭も疲れていて集中力が衰えている。しかも電話会議は英語なので殆ど理解できず、発言もできず、後で送られてくる議事録に頼るしかない。その議事録を元に、日本メンバーで翌日再度ミーティングを持って、アメリカやヨーロッパに質問などをメールで送っている。

そして、アメリカやヨーロッパ側としては、電話会議で話し合って決めたことを、後日、日本側がまた細かく蒸し返してくるのはなぜなのだ、と不満を抱きます。

双方のコミュニケーションをはかり、仕事をスムーズに進めるための電話会議が、かえってお互いの負担を増やしているケースですね。

こういった問題はどうやって解決したらいいでしょうか?

時差をなくすことが出来ない以上、取れる対策は一つだけ。それは電話会議自体を減らすことです。

決まったことの報告や、進捗状況の共有などがメインの目的の会議であれば、別に電話会議で全員を集めなくても、メールで送ったり、イントラネットに掲載すれば済むことです。また、お互いをよりよく知り合うために頻繁なコミュニケーションを取ろう、だから特に議題がなくてもチームミーティングを隔週で行う、といった発想も、それにより犠牲になるワークライフバランスを考慮しても、やる価値があるのか考えてから実施を決めることが大切です。弊社でも以前はこういうチームミーティングをよく行っていましたが、参加者がどんどん減っていき、私自身、自分の食事の時間帯にあまり意味が無いと思える電話会議に参加するのが嫌になってだんだん参加しなくなり、こういったチームミーティングは自然消滅してしまいました。

意見交換をして何かを決めなければならない場合は、関係するメンバーを集めて会議をする必要があります。しかし、電話会議だと数週間はかかるディスカッションが、対面だと数日で決められることもあります。このような場合、メンバーがワークライフバランスを犠牲にしてストレスをためながらだらだら電話会議を続けるよりも、必要なメンバーが同じ場所に集まり、数日間集中的に議論して結論を出すほうが効果的です。

こういったことも踏まえ、先月のグローバルチームのチームビルディングで、時差の問題をどう解決するかの話し合いをしたときに出てきた案は以下のようなものでした。

  • 意思決定や問題解決のために話し合いが必要な場合は、できるだけ対面の会議で集中して行い、電話会議を減らす
  • チームビルディングなど対面でお互いを知り合える機会を増やし、信頼関係を築いておけば、後はEmailのやりとりでもうまく進む
  • 電話会議を設定すべき内容なのか、Emailで済む内容なのか見極めて、電話会議の回数や参加すべきメンバーを減らす
  • 相手を信頼して、全面的に「任せる」ようにする。そうすれば、時差をかえって活用することができる。例えば、アメリカチームがアメリカ時間の日中に作業を進め、夕方、日本チームに送る。アメリカ側が寝ている間、日本チームが作業を継続して行い、翌朝、アメリカ側が起きたら、日本側から作業が送られている。ただ、こういった作業方法をうまく進めるためには、双方の間に強い信頼関係があり、相手に全面的に権限委譲できることが重要。

皆さんが所属しているグローバルチームでは時差の問題を解決するために、どのような工夫をされていますか?グローバル企業で働く上で避けることの出来ない「時差」への対処法、今回のコラムが少しでも参考になれば幸いです。