グローバルチームを作り運営する(その2)〜チームワーキングの難しさへの対処

チームワーキングは、会議を通じてコミュニケーションが図られることが多い。日系企業に勤める非日本人社員から多く聞かれるのが、この会議に対する不満だ。そこで、会議の進め方を例にとって、メンバーとしてのチーム内コミュニケーションの要諦や、リーダーとしてのチーム運営上の工夫を紹介しよう。

リーダーの立場の人は、異文化の人への十分な配慮をしつつ、「文化によらないコミュニケーション方法の確立」を目指すことだ。一つの文化の(特に日本の)“当たり前”だけを元に、このチームの“当たり前”を作らないことが鍵となる。会議を実りのあるものにするために、参加者がどのような文化的背景の人でも参加しやすくするようにし、それをチームの新たなコミュニケーションスタイルとすることだ。例えば、会議のゴールイメージと課題をしっかり定義して示すことだ。日本の会社の日本人による会議では、アジェンダが用意されていてトピックが並べられていても、「~について」とだけ書かれていて、課題や論点がよく分からないものが多い。そして、今日は何が決まればよいのか、そのためにどこまで議論すればよいのかも不明確なことが多い。さらに、会議のルールを設定することが有効だ。前もって説明することに加え、議論の展開する過程でルールが守られていることを確認することも必要だ。ゴールイメージや課題あるいはルールは、予め必要な言語で箇条書きにし貼っておくとよい。

こういったことは、もちろん日本企業で日本人が打ち合わせを行う場合にもメリットがあるが、異文化のメンバーにとっては不可欠だ。自分も参加できているという実感、チームに貢献していると実感を持つことが、彼らのやりがいを大きく左右するからだ。

また、自身がマイノリティ(少数派)の場合は特に、異文化に積極果敢に対応することが鍵となる。具体的には「ミス・コミュニケーションとディス・コミュニケーション」を自ら起こさないよう留意することだ。ミス・コミュニケーションは発信者の意図と受信者の意図が違う場合に起きる。ディス・コミュニケーションはコミュニケーションが行われていない状態だ。
会議の場でミス・コミュニケーションを起こさないためには、発言の際、発信者と受信者の意図を合わせることが重要だ。日本人は、言葉の問題以前に、自分の意図を明確に伝えることをもっと意識しなければならない場面が多い。自分が少数派の場合はなおさらだ。

先日、ある外国人から、会議の場で日本人はよく「I think it is difficult」と言うがなぜかと問われた。確かに日本人は摩擦を和らげるために、やんわりと断るのがよいと考えてしまう。しかし、まずNoとはっきりと伝えればよく、断ることは決して失礼なことではない。むしろ、時間を無駄にしなくて済んだことを感謝さえするのにと言っていた。日本的な意識と表現では、意図がきちんと伝わらないことが多いと考えるべきだ。
ディス・コミュニケーションにも気をつけなければならない。ディス・コミュニケーションは「分かってるだろうから」が原因で生じるが、それは驕りだ。異文化環境では致命傷になる。認識がずれないよう、くどいほど確認するといったことが肝要だ。

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