目指せグローバル才女!薫子の「飛んだ人生」〜感謝祭の日に思うこと:文化の違う相手との、生活習慣や考え方の違いにどう対応していったらいいか

皆様、こんにちは、薫子です。

11月28日(木)は感謝祭の祝日なので、アイオワ州の片田舎にある、夫の実家に滞在しております。サンフランシスコの気温は15度くらいでコートなしで過ごせていましたが、こちらはマイナス10度の凍て付く白い大地。。。家の中でも靴を履いたまま過ごすこととか、肉とジャガイモ中心の食生活とか、同じアメリカでもサンフランシスコとはずいぶん違います。毎年ここに来るたびにアメリカの多様性を再確認すると共に、アメリカの中西部や南部の文化(生活習慣や食習慣)に自分を合わせることは無理だなとつくづく思います。

さて、今回のコラムのテーマは「文化の違う相手と一緒にやっていかなければならないときに、生活習慣や考え方の違いなどにどう対応していったらいいか」です。
このテーマはまさに異文化コミュニケーションの根本的テーマであり、異文化のメンバーが一緒に仕事をするグローバルチームから、国際結婚にまで当てはまりますね。

私が入っている日本人のワーキングマザーのメーリングリストに、イスラム圏の男性と結婚している日本人女性から興味深い投稿がありました。
(投稿内容は簡略化して引用しています)

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<相談内容>

「ご主人と出身国、育った環境が違うことによって起きる習慣や考え方の違いをどうとらえたり考えていったりしたら良いか、アドバイスをいただけないでしょうか。
基本は話し合いをして妥協点を見つけるしかないと思うんですが、自分の考えがまとまらないので妥協点がどこかわからないのです。
私の主人は豚肉を食べない習慣と割礼儀式がある国から来ています。
結婚する前に、私は外では豚肉を食べても良いけれども家では食べないでほしい(買ってきて料理するな)と命令されました。「子供が生まれたらどうするか」と疑問を投げかけましたが、回答は「No」、生まれてからも2回ぐらいたずねたことがあるのですが、「likely no」と言われました。割礼儀式も主人はするつもりでおり、もちろんそういう習慣のない日本から来た私は、息子の体を傷付けるようなことをさせたくないので、そういう儀式をどう受け入れていったらいいのか、わかりません。胃がいたくなるほど考え込んでしまっています。。。」

<異文化コンサルタント 薫子のお返事>

文化の違い、しかもそれが宗教に根ざしていて本人のアイデンティティにも関わってくるような根本的な違いになってくると、妥協点を見つけるのはなかなか難しいですよね。

興味深いトピックだったので、朝食のときにアメリカ人の夫に「あなただったら、こういうときどうする」と聞いてみました。夫いわく、「自分だったら、美味しいトンカツが食べられないなんて不幸だと思うので、日本に行ったらこっそり息子に豚肉食べさせると思う。でも、子供は秘密は守れず、きっとお父さんに「トンカツ美味しかった!」などと言うだろうから、そのときに結婚生活が試される」と言ってました。

私は異文化のメンバー同士のチームビルディングや、M&Aなどで国籍や文化の異なる企業が一緒になった後の組織文化に関わるコンサルティングを仕事にしています。異文化の者同士が一緒になる国際結婚と、異文化のチームビルディングは結構似ている点があるように感じています。

例えば、日本とアメリカのメンバーからなるチームがあって、それぞれやり方が異なってコンフリクトが生じた場合、双方にとって合意できる共通のゴール、例えば「顧客にとってはどういうやり方がいちばん効果的なのか」に立ち返って考えます。その結果、日本式のやり方を取ることになったり、アメリカ式になったり、あるいは日本でもアメリカでもなく、そのチーム独自のやり方を取ることになります。こういった意思決定を繰り返すことで、そのチーム固有の文化が創られていきます。
双方にとっての共通のゴールと共に、双方が自分にとっての「Non-negotiables」(絶対に譲れない点)を共有することも大切です。また、なぜ譲れないのかの理由も説明します。このプロセスを経ることで、「譲れる点」も明らかになり、妥協点が見出しやすくなります。

結婚はチームビルディングよりも、もっとドロドロしていて、ビジネスライクに行かない点も多いと思いますが、お互いにとっての共通の目的、例えば「息子さんにとっていちばんいいことは何か」を共有し、その上で、お互いに譲れない点は何か、なぜ譲れないのかを話し合って、息子さんにとっていちばんよい方法を見出せるといいですね。

こういった話し合いは、ともすれば感情的になったり、どちらかがそっぽを向いたりして、建設的に進まない場合もあるので、信頼できる第三者に入ってもらうのも一案かもしれません。私の場合も、子供が生まれてから子育ての仕方などで意見の食い違いが増え、夫婦仲が悪化したので、Relationship coachに入ってもらって、こういった話し合いをしました。Relationship coachのスキルや相性にもよりますが、Relationship coachに入ってもらうことによって、なかなか話しづらいトピックなどもちゃんと話し合うことができて、良かったと思っています。

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とアドバイスしました。が、実際問題、生活習慣や食習慣がかなり異なり、またそれが宗教などに根ざしている場合は、双方が完全に満足できる落としどころを見出すのは容易ではないだろうなと思います。

私の場合も、もし夫が、家の中でも靴を履いて過ごす、食事はナイフとフォークで肉とジャガイモとパン、魚は金曜日だけ、それも寿司や刺身なんてあり得ない、食事のお供は当然コーラでしょ、といった生活スタイルを貫き通す人だったら、一緒に生活していくのは絶対に無理なので、そもそも結婚していなかったと思います。

アメリカ人の夫と何とかアメリカで生活していけているのも、住んでいる場所がアジア系移民の多いサンフランシスコであり、夫が日本文化が好きで、日本の生活習慣に合わせてくれているからですね。それでも意見が合わないことは日常茶飯事で夫婦喧嘩も多いですが、よく考えてみると、私が夫に合わせるよりも、夫が私に合わせてくれるほうが多い気がします。夫よ、ありがとう!(感謝祭の日ですから、最後は夫への感謝で今回のコラムを締めくくることにします。)