目指せグローバル才女!薫子の「飛んだ人生」〜褒めるアメリカ人と反省する日本人

先日、息子の15ヶ月検診に行ってきました。

担当医に「もう言葉はしゃべりますか?」と聞かれたので、私が「まだ話しません」と答えたら、アメリカ人夫は「いや、4つほど話します」と言いました。(私:えっ、息子が話しているところ、聞いたこと無いよ!?)ここから先、私の内心の声をカッコ書きで表示します。

夫は得意げに「息子はパパ、ママと言います」(私:それはちょっと違うだろ。息子はパパパパパパパパ、ママママママママと声を出して音を楽しんでいるだけで、夫に対してパパ、私に対してママと言っているわけではない)

次に夫、さらに得意げに「息子はUh-oh!と言います」(私:Uh-oh!というのは、日本語の「おっとっと!」みたいな間投詞だけど、これって言葉なの!?)

そして最後に夫、満面の笑みを浮かべて「息子はエレベーターに乗るとUpと言います」(私:それはちょっと違うだろ。夫がUpと言った後、息子はアーと言っているだけじゃん!)

私は「言葉を話す」ということに対して高い基準を持っていて、息子がその基準にまだ到達せず、息子ができていないことに注目して、まだ言葉を話さないと判断していました。また、医者に対して得意げに息子自慢をするのも違うだろ、と思っていました。夫の基準は私より低く、息子ができることに注目して「言葉を話す」と判断し、「しかも、4つも話すんですよ!」と自慢げに医者に伝えていました。

というわけで、あらためて私と夫の、物事の見かたの違いに気付かされたのでした。品質に対して厳しい基準を持ち、できていないことに注目し、常に反省し改善を目指し、人前では謙遜する日本の文化と、品質に対する基準は緩く、できていることに注目し、徹底的に人前で褒めるアメリカの文化の違いを垣間見たような気がします。

アメリカで生活していると、このような違いを日常的に体験します。

ある日、息子を連れて公園に遊びに行きました。駆け回っている女の子がいたので、そのお母さんに、「元気なお嬢さんですね、おいくつですか?」と聞いてみました。

日本人のお母さんだったら、恐らくこんな風に答えるでしょう「もうすぐ二歳になりますが、どんどんヤンチャになってきて、手がかかって大変なんですよ」

ところが、このアメリカ人のお母さんはこう答えました。「うちの子はまだ二歳にもならないのに、とっても優秀なの。かけっこだって早いし、アルファベットも読めるし、数も20まで数えられるのよ!」

子供は親が自分のことを他人の前でどう話すかを聞いて育ちます。アメリカ人の、褒める文化、人前で自分をアピールする文化と、日本人の反省する文化、人前では謙遜する文化というのは、こうやって幼児期からはぐくまれていくんだなと改めて実感しました。

以前、日本の自動車メーカーのアメリカの工場で働く日本人マネージャーにコーチングを提供していたことがあります。彼はアメリカ人の部下から「ポジティブなフィードバックがないので、モチベーションがあがらない」と不評を買っていました。日本人マネージャーは「30年のキャリアの中で、自分は褒められた記憶がないから、部下をどうやって褒めていいのかわからない。自分では褒めているつもりなんだけどな。。。」と困惑していました。

この日本人マネージャーは、アメリカ人部下がミスをすれば反省を促しますが、ちゃんと仕事をしているときは何も言いません。仕事をミス無くこなすのは当たり前のことで、わざわざ褒めるにはあたらない、と考えているからです。褒めるとしても、せいぜい「Good」、「Not bad」くらいです。

一方、アメリカ人部下としては「Great job!」「Terrific!」「Super!」「Wonderful!」「Fabulous!」「Magnificent!」「Amazing!」などなど、ハイテンションで褒められないと、褒められた気がしません。それは、幼児期から親にそのような言葉で褒められて育ってきたからです。

「褒めるに値する行為」の基準が日本では高く、アメリカでは低い。褒め言葉のテンションは日本では低く、アメリカでは高い。この差がアメリカ人部下の不満と、日本人マネージャーの困惑につながっていました。

日本とアメリカ、どちらがいいという話ではありません。ただ、日本人がアメリカ人を部下に持つ場合は、こういった違いを念頭においてフィードバックすることが大切です。自分では「こんなこと、褒めるに値するの!?」と思うことでも、少し大げさなくらいに褒めてあげて、ちょうどいいのです。

こういう話をアメリカ人夫にしていたら、

「この食卓を見てよ。綺麗に掃除してあるだろ。食器も全部洗ってある。全部、僕がやったんだよ。そういうところをちゃんと褒めてくれると、もっとやる気がでるんだけどな。君はいつも厳しい目で汚れを見つけて指摘するでしょ。だから、完璧にこなさないと叱られると思ってびくびくしちゃうんだよ。」

料理は私、後片付けは夫と役割分担しているのだから、自分の役割をちゃんとこなすのは当然であって、わざわざ褒めるにあたらないと私は考えておりました。が、やはり夫はアメリカ人。できていないところを見つけて指摘するのではなく、できているところを大げさなくらい褒めてあげることが、彼のモチベーションアップ(ひいては、家事能力アップ)につながるということに、改めて気付かされたのでした。。。(こうやって反省するところ、やはり私は日本人です。)