目指せグローバル才女!薫子の「飛んだ人生」~海外留学する日本人の減少から考えること

今朝の新聞に海外留学する日本人学生が激減しているという記事が載っていた。かつて世界一だった米国への日本人留学生数は、ピーク時の45%まで減り、最も多い中国人留学生の14%しかなく、国別順位でもサウジアラビアに抜かれて7位に転落したとか。
私は2003-2005年まで米国のビジネススクールに留学していた。Global Strategyの授業で、教授が日本の少子高齢化とグローバル化の遅れを指摘し、「これからは中国とインドの時代である。もう日本は終わった。自分の息子は日本語を勉強したけど、これは本当に時間の無駄だった。中国語を勉強しろと言えばよかった。」「Kaorukoは皆がこのクラスで見る最後の日本人になるだろう」といった発言をしたことを思い出した。そのときはあまりに驚いて何も言えなかったのだが、後から「何て失礼なことを言う奴だ」と怒りと反感が沸々と湧き上がっていたことを覚えている。しかし、残念ながら教授の発言に真正面から反論できる材料はなかった。あれから7年の月日が経ったが、日本という国、日本企業のグローバル経済における位置づけが着実に低下していることを、日々の仕事の中でも感じている。
産業能率大が2010年に全国の新入社員400人に尋ねたところ、2001年の調査よりも20%も多い49%の社員が「海外勤務を希望しない」と答えたそうだ。民間シンクタンクはこの調査結果を、「今の生活水準に満足し、国内で働ける技量さえ身につければいいという考えが広まっている」と分析している。
私は小、中と海外で過ごし、日本の高校と大学に進んだが、大学在学中から海外に出たくて仕方なかった。最初に就職した会計事務所で海外駐在の道を探ったが、基本的に海外駐在は既婚男性のみで独身女性はだめ、という壁にぶち当たって外資系企業に転職。そこでも海外駐在を希望していたが、外資系企業というものは基本的に東京勤務が前提で、海外に研修では行けても駐在の機会はあまりない。それで結局、私費で米国のビジネススクールに留学した。
何でそんなに海外に行きたかったのか。そこには明確な理由も計画もなかった。ただ、海外には自分の知らない未知の世界があって、そこに自分の身をおいてみたいという、内からこみ上げてくる強い思いに突き動かされていたとしか言いようがない。
安定した仕事を辞め、貯金も使い果たし、婚期も逃して留学するなんて馬鹿じゃないのか、という親や周囲の反対を押し切って留学した。実際経験してみた海外留学は、思い描いていた「バラ色のキャンパスライフ」ではなくて、辛いことのほうが多かったが、今振り返ってみると、海外留学を断行したことは私の今までの人生の中でいちばんよい決断だったと思う。
海外に出ることのメリットはたくさんあるが、いちばん大きいと私が考えるメリットは、日本という国を外から客観的に見られるようになることだ。日本のよいところも悪いところも、日本の中にいたら当たり前過ぎて気付かないことにたくさん気付かされる。2005年にビジネススクールを卒業した後からずっとアメリカに住んでいるが、日本というのはアメリカに比べて何と住みやすい国なのだろうか、と日本に一時帰国するたびに感動している。日本の住みやすさについては、また別の機会に詳しく紹介したいと思うが、例えばトイレのウォッシュレット。日本だったら駅の公衆トイレでもウォッシュレットが普通についているが、アメリカでは高級ホテルのトイレですらウォッシュレットはついていない。以前、アメリカに駐在する日本人夫婦のコーチングを行ったときに、奥さんが「ウォッシュレットのない国に行くのは本当に嫌です」と言っていて、そのときは「たかがそんなことで大げさな」と内心思ったのだが、今ではそのときの奥さんの気持ちがよくわかる。日本にはあって当たり前で日頃意識すらしないものが、海外には存在しなく、そのときに日本がいかに住みやすい国であったかに気付かされるのだ。これは、ウォッシュレットのような細かいものだけでなく、国民皆保険のような大きな制度にも当てはまる。
海外留学や海外駐在でいったん日本の外に出てみることで、日本という国を外から見られる視点を身につけること。そして、海外で苦労することで、未知に遭遇しても何とかやっていけるだけの自信とスキルを身につけること。その上で、やっぱり自分は日本でやっていきたい、あるいは海外の風土が自分に合うので海外でやっていきたい、と決めればよい。20代の若者が最初から「リスクを取りたくない」と日本の外に出たがらないのは非常にもったいない。
米国のビジネススクールには、中国、韓国、台湾、インド人の留学生がたくさんいた。彼らは米国で数年間武者修行をしてから母国に戻って活躍する。日本人の若者もぜひ続いて欲しい。いちども海外に出たことのない日本人が40代後半ー50代になって初めて異文化コミュニケーションの研修を受けても、グローバルマインドセットは身に付かない。
ところで、20代はとにかく海外に出たくてたまらなかった私であるが、アラフォーの今となっては、日本の住み易さを実感して日本に戻りたいと思うようになってきた。これが「年を取ってきた」ということなのかな。。。

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