【田岡純一】ジャンゴのちょっといい話-ASTD2011の国際カンファレンスの参加報告

今回は5月22日~25日米国フロリダ州オーランドのオレンジ・カウンティー・コンベンションセンターで開催されたASTD2011の国際カンファレンスの参加報告を簡単にさせていただきます。
そもそもASTDとはAmerican society training & learning Development の略で、1943年に設立された非営利団体で、世界中の企業や政府等の組織における職場学習、能力開発、パフォーマンス向上を支援することをミッションとした世界第一の会員制組織です。
現在は100以上の国々に70,000人余りの会員を有しています。
今年は4日間で300のセッションと3つの基調講演、同時にEXPOも開催され8500名が参加。そのうち2500名が海外からの参加で、日本からは119名の参加があったようです。
今回は大会を通して私が感じたHRDの潮流と3つの基調講演のうち2つの概要を簡潔にご紹介したいと思います。
最後の一つは疲れて寝てしまいました。ごめんなさい
今回の大会には大きく2つのテーマがあったように思います。
一つ目は、ラーニングをいかにパフォーマンスの向上に結び付けるかということ。
この傾向はここ数年続いており、今回は特にソーシャルメディアを活用したラーニングの具体的な取り組みが事例が多く紹介されていました。
二つ目は、人間が働くことを通して自分を活かし、幸福になること、仕事をのやりがい、価値創造、ハピネスの探求といった原点に立ち返って、大切なものをもう一度見つめ直すセッションも多く見られました。
この2テーマをほぼ同じくらいのウエイトで扱っていた印象があり、この点は過去の大会との大きな違いであるように感じました。
短期でのビジネス結果を求めつつも、組織に対するエンゲージメントを高める、この2つの取り組みがより一層必要とされてきているのでしょう。
【ゼネラルセッション】
1.マーカス・バッキンガム氏
Stand Out: How to Find Your Edge and Win at Work.
(スタンドアウト:あなたのエッジを見つけて職場で勝利する方法)のテーマで講演されました。
「強みを発見して、それを組織活動で発揮することは、組織のパフォーマンス向上、イノベーションにつながる。強みをみつけ伸ばすことは重要である。」これは従来のストレングス・ファインダーと同じですが、今回紹介されたスタンドアウトは、組織における役割にフォーカスし、よりエッジな部分(特に優れた要素)を9つのタイプに分けて、具体例を交えながら紹介。このアプローチを活用することで、より仕事における役割において、パフォーマンスを高めることが期待できます。
2.キャンベルスープ社CEOダグ・コナント氏とストラテジック・リーダーシップ&ラーニング社のメッテ・ノルガード氏
Touch Points : Transforming everyday Interactions into Powerful Leadership Moments.
(タッチポイント:日々の交流をパワフルなパワフルなリーダーシップの瞬間に変換する)のテーマで講演。
タッチポイントとは、タイムリーな瞬間に発せられる6語以内程度の短いが人生に大きな影響を与える言葉による一瞬の触れ合いのことです。これに触れると、これまで難しいと認識していた課題に対しても解決の可能性を見い出し、コミットメントを高めることができます。
リーダーは一人ひとりが持っている可能性にタッチし、コミットメントを引き出すことが大切です。 具体的な事例として、キャンベルスープ社が2000年に業績悪化した状態から、次第に業績を回復していった取り組みを紹介。この取り組みのポイントは「課題には厳しく、人には優しく」でした。
課題に対しては妥協せず、社内スタンダードを引き上げていきました。一方で、人に対しては、優しく親切に、互いを大切に思いやって気遣いながら、貢献に感謝しあう社風を創っていきました。
この時、リーダーとしてタッチポイントを実現するのに大切な姿勢が”How can I help?”でした。
リーダーだからタッチポイントしなくてはいけないのではなく、リーダーとしての基本的な姿勢が、相手に良い影響を与え、それがさらに広がっていく。リーダー単独の考え方や行動としてではなく、周囲との相互作用や関係性に着目した点が、大変印象的でした。
人への配慮ある接し方は伝染するので、この会場を出るときはそういったタッチポイントを創ってくださいとの最後の言葉が、震災時のACジャパンの公共広告とダブり、強いメッセージを感じました。
3.米空軍飛行デモ隊(ブルー・エンジェルス)の元リード・ソロ・パイロットであるジョン・フォリー氏
The High-Performance Climbのテーマで講演。
ハイパフォーマーになるための4つのプロセスを紹介。そのプロセスとはBelief Level, Brief, Contract, Debriefである。そのうち特にDebriefが重要。
ブルー・エンジェルスのショーは、ジェットとジェットの翼がわずか1メートルしかないとのこと。この極めて高いリスクを乗り越えて、チームとしてのパフォーマンスを高めるにはどうしたらいいかの示唆が、散りばめられた講演でした。
そして皆が"Glad to be here”の気持ちを持つことが大事と語っていました。
この紙面ではとても表現しきれない盛りだくさんの内容で、大いに収穫のあるカンファレンスでした。
詳細は次回6月10日の「元気会」にて発表します。是非ご興味のある方は、ご参加ください。