☆『勇気の経営』vol.28 熱帯雨林を守るコミュニティ・プロダクツの誕生

この記事は、1993年に発行された『勇気の経営』の内容を編集・要約したものです。再編集の経緯はこちらをご覧下さい。
第3章ベン・アンド・ジェリー
第2節 熱帯雨林を守るコミュニティ・プロダクツの誕生
ベンが友人と1989年につくったコミュニティ・プロダクツの目指すコンセプトは「営利と非営利の融合」で、ベン・アンド・ジェリー以上に社会への貢献度が高い会社である。
ブラジルの熱帯雨林の危機が話題になるかならないかの頃の1988年、ベンはジェイソン・クレイに出会った。彼は環境保護の非営利団体の役員で熱帯雨林を守り、かつ先住民の自活を促進するような商売はないかと模索していたのである。意気投合した二人はブラジルナッツを「レインフォレースト・クランチ」に使うことを決めた。
自然の持続的再生のメカニズムを知り尽くした原住民が採集したナッツを、コミュニティ・プロダクツが加工して、約半分をベン・アンド・ジェリーに納入、残り半分をキャンディにして販売する。輸入はジェイソンの非営利団体を通して行われるのだが、通常のレートと比べ、5%高くつく。その5%が原住民の共同経営組合に支払われているからである。「レインフォーレスト・クランチ」は、味もよく、熱帯雨林を守る一勢力でもあり、地域還元のための収益源となる。つまり、ベン・アンド・ジェリーの三本柱の経営理念(プロダクツ、ソーシャル、エコノミックの各ミッション)に合致するものであり、ベンにとってこれほど理想的な事業はなかったのである。