【目指せグローバル才女!薫子の「飛んだ人生」】タクシードライバーとの会話シリーズ:レバノン人のタクシードライバーとの会話~目指せグローバル才女!薫子の「飛んだ人生」

皆様、こんにちは。GWはいかがお過ごしでしたか?
私はサンフランシスコで通常どおり仕事をし、先週はボストンに出張しておりました。
喉元過ぎれば…ではありませんが、こちらでは日本の震災のニュースは殆ど聞かなくなりました。空港のセキュリティがずいぶん厳しくなったなと思ったら、オサマビンラディン暗殺による報復テロに備えるためということでした。私は出張のときに、顔の上でコロコロ転がす金属製のマッサージャーを持参するのですが、これがセキュリティチェックでひっかかりました。男性と女性の係りの人達が手袋をはめた手で金属製マッサージャーを恐る恐るつまみ、真剣な表情で検査しています。「こういう風につかうんですよ」と顔の上で転がす動作を実演してみせたら、「Does it work?(本当に肌に効果ある?)」と女性のセキュリティ担当が興味深そうに眺めていました。
アメリカのタクシーでは、運転手さんとよく会話をします。自分から話しかけるというよりも、運転手さんのほうから「Where are you from?」と聞いてくるので、「もともとは日本出身で、今はサンフランシスコに住んでいる」と答えると、日本やサンフランシスコについての話題から会話が広がっていくのです。(日本では運転手さんが話しかけてくることは滅多にないので私も黙って乗っています)アメリカのタクシードライバーの多くは他の国から来ている人達なので、お国柄の話や、移民としてアメリカで生きていく大変さなど、話題はつきません。
今回、ボストンの空港からホテルに向かうタクシーの運転手さんは、レバノン出身でした。アメリカに来た兄を募って、家族全員でアメリカに来てもう15年になるそうです。
私:レバノンには帰らないんですか?
運転手:政情が不安定だからね。ボストンにはレバノン人のコミュニティもあるし、レバノン料理のお店もたくさんあるし、レバノンに帰る必要性は感じないね。
私:レバノン料理にはどんなものがあるんですか?
運転手:レバノン料理は最高だよ。ファラフェルとかフムスとか
私:ファラフェル、食べたことあります。イスラエルの料理と似ているんですね。
運転手:(吐き捨てるように)イスラエルという国は存在しないよ。イスラエルの料理なんてものもない。あいつらはレバノンの真似をしているだけだ。
私:。。。。(運転手さんの強い口調に一瞬言葉を失う。イスラエルという国の存在自体、絶対に認めないという強い意志を感じる)

(参考)イスラエルとレバノンの関係について
http://tanakanews.com/a0612lebanon.htm 

http://www.zion-jpn.or.jp/israel_history05.html

結構オープンな運転手さんだったので、気になっていたことを思い切って尋ねてみることにしました。
私:オサマビンラディン氏が殺害されたこと、どう思いますか?
運転手:。。。(今度は彼が虚をつかれたようだ)
運転手:彼が殺されてよかったと思う。彼のせいでイスラム教徒全員のイメージが悪くなってしまったから。
私:ニューヨークテロの後は、アメリカにいるイスラム教徒はかなり大変な目にあったと聞きますね。

運転手:そう、イスラム教徒は皆テロリストだと思われるようになってしまった。ひどい扱いを受けたよ。でもイスラム教は悪くない。他の宗教と同じように愛と思いやりを大切にする宗教なんだ。
赤信号で待っているとき、運転手さんはかばんから薄い本を取り出して私に渡しました。
運転手:イスラム教についてわかりやすく説明している本だ。これをあなたにプレゼントする。世界中でイスラム教に改宗する人が増えているんだ。
私:(驚きつつ)ありがとうございます。
運転手:今、イスラエルと呼ばれている地域だって、もともとはレバノンと一つだったのに、欧米諸国が政治目的で分断した。同じ言葉で同じ食事をする同じ民族なのにね。北朝鮮と韓国だって同じだ。どんな宗教も根本は同じで、人間も根本は同じなのに、政治家が分断してしまうんだ。

ここでホテルに着いたので、料金とチップを払い、本のお礼を述べてタクシーを降りました。
アメリカのタクシー運転手さんとの会話は、私にとってはまさに生きた「異文化研修」です。これからも印象に残った会話は「タクシードライバーとの会話シリーズ」としてたまに掲載していきますね。