【山田奈緒子】多様化する職場で成果出すリーダーの姿勢こそ重要-ダイバーシティーの意義と定義を考える

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このコラムは、山田奈緒子が日経情報ストラテジー2009年7月号から12号に掲載した記事をリライトしたもので、性別、文化、雇用形態等、様々なダイバーシティについて考察しています。
日本は、女性活用ひとつとっても、ダイバーシティ後進国です。女性がこれほどまでに活躍してないのは先進国の中で日本だけ。先進国以外でも女性の活躍はどんどん進んでおり、日本の国際的な競争力低下にも関わってくる問題です。ダイバーシティ推進は、企業の競争力を高めるだけでなく、少子高齢化の中で国家存続の問題への解決策のひとつにもなりえる切り札なのです。
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1-1 「多様性」で成果を生むユニクロ、日産
企業において人材の多様化が必要とされるのには二つの側面があるといえるだろう。
ダイバーシティーの概念が日本で注目されるようになった背景には、2008年までの緩やかな景気拡大とそれに伴う人材不足があった。労働力の確保が緊急課題となった企業は、派遣社員や外国人社員の採用に積極的に取り組んできた。つまり、相対的にコストを抑えながら人的リソースを確保するための戦略という側面である。ところが、一転、2008年末からの景気悪化で、正規社員の削減にすら余儀なくされている。こうした状況下で、労働力確保を目的としたダイバーシティー推進のプライオリティーが低下するのは仕方がないことである。
こうした側面を、ダイバーシティーの「受け身」の戦略とするならば、「攻め」の戦略もある。組織内に多様な人材がいるほど、より多く幅広い情報源へのアクセスが可能になり、それまでなかった視点や情報を取り込んで、経営上の成果を生み出すことができるという考え方だ。
女性ならではの発想や情報収集力を生かして「ブラトップ」「ヒートテック」といったヒット商品を連発するユニクロはその典型例である。男性衣料を主力製品として成長した同社が、女性顧客を増やしたことで、今日の不況下でも成長を遂げる支えになったといえるだろう。また、V字回復の典型例として有名な日産自動車のCFT(クロスファンクショナルチーム)も、多様性の原理を活用して成果を出した事例だ。多様な経験・スキルを持った社員を職位にかかわらず部門横断的に募り、時には取引先やコンサルタントといった外部の知見も取り入れて、リバイバルプランの改革案を練り上げた。