異文化調理人薫子のコラム~「シリアスプレイでチームを作る」レポート

P1060402秋分を過ぎてだいぶ涼しくなってきましたね。後3ヶ月で今年も終わりかと思うと、時が経つのは早いなぁと感じます。
先日、ファシリテーターズ・クラブのセミナー「シリアスプレイでチームをつくる」に参加してきました。ここ数年、グループディスカッション→フリップチャートに書く→全体発表、というオーソドックスなファシリテーションでは出てこない、もっと深い気付きや既存の枠を超えたアイデアが出るような場を作るにはどうしたらいいだろう、といろいろ試行錯誤していました。そんなとき「シリアスプレイ」の案内を頂き、スーツでびしっと決めた大企業の重役達が楽しそうにレゴを作っている映像を見て、「これは面白そうだ」と、参加者として体験してみることにしたのです。
「シリアスプレイ」はデンマークと米国で開発された社会人向け教育プログラムです。シリアスプレイについての詳しい情報はぜひホームページhttp://www.seriousplay.jp/で見て頂きたいのですが、簡単に説明すると、ある課題を設定し、課題の回答を参加者各自がそれぞれレゴブロックを使って作品として作り、作品から生まれるストーリーをグループで聴き、質問し、共有するというものです。
チームのビジョンやバリューの設定など、抽象度の高いテーマを扱うときに、普通にグループディスカッションで進めていくと、当たり障りのないものや通りいっぺんのものしか出ないことが多いです。そんなときにレゴブロックのようなツールを使って、抽象的なものに形を与えながらディスカッションを進めるのは、楽しみながら出来るし、なかなか効果的だと思いました。
また、各人が作った作品を組み合わせて、チームとして一つの作品を作るというプロセスは、個人がそれぞれの強みを活かしながらチームとして統合するというチームワークそのもので、チームビルディングにも使えます。
課題をどう解釈して形にするか、出来上がった形にどのような意味づけをするかといった点は、国の文化や企業文化にかなり影響を受けるところがありそうなので、異文化間研修や異文化のチームビルディング、2社が合併した後に企業文化を統合するためのワークショップなどにも使えそうです。
実際にやってみてまず思ったのが、レゴを組み立てるのが意外と難しいということ。もともと編み物や刺繍など手先を使った細かい作業が苦手なのもありますが、社会人になってから手指は主にパソコンを打つのだけに使っていた自分に気づきました。レゴを不器用に組み立てながらも「小学生のときの雑誌の付録で、懐中電灯を組み立てたときは達成感あったよなぁ」と当時の思い出が蘇り「私は本当は、こうやって何かを組み立てて役に立つものを作るのが好きなんだよなぁ」などと、思わぬ気付きが生まれました。これは頭で考えたというよりも、レゴを触っている指が、小学生の頃の指の感覚を思い出して、私に教えてくれたという感じです。
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シリアスプレイのセミナーで頂いた配布資料によると、70-80%の脳細胞は手と接続されていて、ものを作る時は、理論と知識構築が同時進行するそうです。私達はとかく頭でっかちになり勝ちですが、レゴブロックといったツールを使ったり、身体を動かす要素を入れて、頭で考えるだけでなく、体で考え、心で感じ、頭、体、心の全てから知恵を引き出せるような場を作ること。これこそファシリテーターとして大切な心がけであると、改めて気付かされた一日でした。